平成28年度 研修・教育
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平成28年度 AMG検査部超音波員会 乳腺超音波研修会

AMG検査部超音波委員会主催・乳腺超音波研修会を、3月10日(金)に大宮ソニックシティで開催しました。今回で8回目の開催となりましたが、乳腺超音波検査に携わる17施設から24名の参加があり、講義・症例検討・実技講習を実施しました。
前半の講義テーマは「乳がん検診におけるエコーとマンモグラフィの総合判定」とし、埼玉県診療放射線技師会会長の田中宏先生をお招きして、総合判定の考え方、エコーとマンモグラフィのカテゴリー判定など、各論を丁寧に説明して頂きました。その後、実際の症例を見ながらカテゴリー判定・総合判定を行い、講義でありながらも実践的に学習をしました。症例については、最終病理診断、治療方針、術後stageや補助療法まで解説頂き、画像の向こう側の患者様を診る思いで、参加者の皆さんも熱心に聴講されていました。
後半は、前回に引き続き「エラストグラフィ」をテーマに、基本的な内容と症例提示を含む講義で、知識の共有を図った後、3班に分かれて、エラストグラフィの走査方法について実技講習を行いました。
エラストグラフィ(超音波組織弾性影像法)とは、組織の硬さをリアルタイムで画像化する技術で、良性病変に比べがん組織が“より硬い”ことを利用してがんを検出します。乳腺超音波検査でのエラストグラフィは、平成28年度の診療報酬改定では保険適用になりませんでしたが、臨床では欠かせない超音波機能となりつつあります。平成26年度に改訂発行された「第3版乳房超音波診断ガイドライン」にも新たにエラストグラフィの項目が追加されており、この機能を適切に活用できるよう実技講習のトレーニングに取り入れました。
ここ数年マスコミの影響もあり、乳がん検診への関心がさらに高くなっています。Dense Breast(高濃度乳腺:マンモグラフィ上、広範囲で高いdensityを示す場合、乳がん検出率が著しく低下する)の報道もあり、乳がん検診のスクリーニングにおいて、超音波検査のニーズも高まっています。超音波検査は非侵襲性の検査で、場所や患者様を選ばず実施できます。しかし、他の画像検査に比べ客観性に課題もあります。私たち臨床検査技師の行う乳腺超音波検査が乳がんを見落とすことなく患者様の不利益とならない検査である様AMG検査部として、今後も研鑚していきたいと考えます。

アルシェクリニック 萩原良枝

第36回 千葉県臨床検査学会

2017年2月19日に第36回千葉県臨床検査学会が、千葉大学けやき会館にて開催され、発表させて頂きました。
私は、病院内での発表は何度か経験させていただいていたのですが、公の場での発表は初めてでした。とても緊張していましたが、文章を読み上げている間に緊張もほぐれ、最後はリラックスして発表を終えることができました。また、発表するに当たり、抄録・スライド作成、原稿の読み合わせなどに関して、多くの方からたくさん助言をいただきました。今回の発表で学術奨励賞を頂けたのも科長をはじめ、ご先輩方のご指導、ご支援のおかげだと思っています。
今回、発表者として学会に出席させていただき、また様々な内容の発表を聴講させていただきました。発表者としてはまだまだ未熟な自分ですが、どのように発表をすれば分かりやすいか、どのようにスライドを作成すれば見やすいかなど、発表者の方々によって三者三様の内容でとてもよい経験になりました。
今回の経験を生かし、対外活動にも積極的に参加していきたいと思っております。

津田沼中央総合病院 小峯 佑城

  • マクロCKによるCKとCK-MB測定値の乖離例
    柏厚生総合病院 滝沢 慶
  • 超音波検査にて発見、経過観察しえた内頸静脈血栓症の一例
    津田沼中央総合病院 藤沢 一哉
  • 輸血後感染症実施率向上のための取り組み
    津田沼中央総合病院 松田 聡子
  • 憩室炎による結腸膀胱瘻によって尿中に食物残渣が見られた1例
    津田沼中央総合病院 吉岡 将之
  • コレステリン結晶を含有した陰嚢水腫の1例
    津田沼中央総合病院 五十嵐 祐紀
  • インフルエンザの迅速検査で偽陽性を呈した一例
    津田沼中央総合病院 小峯 佑城

平成28年度 AMG輸血検査実技講習会を開催して

2017年1月25日(水)に各病院・施設での輸血技術の標準化と技術・知識向上を目的とした適正輸血委員会主催の実技講習会を開催いたしました。
第6回目にあたる本講習会には17名の参加者でグループを組み、午前に実技、午後は講義及びワークショップを行いました。実技では血液型、不規則抗体検査をカラム凝集法で行い、同定した抗体の抗体価測定を実施し、その検査結果より考えられる病態や今後の予測、症例に適した輸血製剤の選択を各自実施しその結果をまとめ、グループ発表を行う形式で行いました。実際のルーチンで行う検査が各施設で様々なため、少し難しいと感じる方も見受けられました。
今回の講習会は「輸血検査の基礎に帰る」ことをテーマとし、午後に行われた症例解説と講義では正しい検査結果を出すための条件や手技に関すること、各検査の意義など基本的な技術と知識に重点をおいて行いました。その後、ワークショップにて他施設との意見交換の時間をつくり、自施設で普段疑問に思うことや次回の講習会についてなど様々な内容を議論しました。グループ病院でありますが各施設の規模や診療内容の異なる環境下で業務を行っている職員が集まり情報交換できる機会は非常に少ないため、横の繋がりを感じられるとても有意義な講習会であったと思います。「次回の講習会にも参加したい」と意見も頂き、今後も各施設間の標準化と輸血検査に対する精度向上だけでなく、グループ病院を活かした講習会を行なっていきたいと思います。

上尾中央総合病院 検査技術科 酒井美恵

第28回臨床微生物学会

2017年1月20日、21日、22日に長崎ブリックホールにて第28回臨床微生物学会が開催されました。九州とはいえ寒さが厳しい中、全国各地から多くの参加者で会場は溢れていました。
微生物学会への発表は二年連続で、昨年は「臨床検査技師全員参加型血液培養検査の院内検査への導入による効果」を報告しましたが、今回は「臨床への効果」に視点を変えて「血液培養の院内検査導入における検出菌の推移と臨床への効果」を報告してきました。
臨床検査技師は医師となかなか話す機会がないのが現状ですが、医師へのアンケート調査を通じて、医師は検査技師からの迅速報告を望んでおり、臨床検査技師側から結果の報告に対するアドバイスを行うことは臨床側も必要としていることがわかりました。そのためには医師との日ごろのコミュニケーションが重要であると改めて感じました。
これまでは結果だけを報告して後は臨床の判断に任せるケースもありましたが、今回の調査を通じて検査技師が感じた小さな情報も報告することにより、患者さんへより良い診療を提供できるのではないかと感じました。
今回、調査で得たことは継続して日常業務に生かせればと思っています。

上尾中央総合病院 検査技術科 木部雄介

平成28年度 AMG検査部精度管理委員会 機械メンテナンス研修会

シスメックス株式会社の協力のもと、2016年12月13日(火)と2017年2月14日(火)の両日に品川区大崎にある同社の東京支店・東京ショールームを借りて、自動血球分析装置のメンテナンス講習会を実施致しました。両日合わせて41名の参加となりました。
研修の内容は、最初の1時間を全体講義として機器の測定原理・エラー出現時に疑う箇所の講義を行い、その後病院で使用している機器別に5~6人のグループ別に分かれ、実機を用いて定期メンテナンスの仕方と実際に多く出るエラー時の原因箇所と対策(修理の仕方)を一人ひとり実技体験しました。
ルーチン検査時にトラブルが発生した場合は、一般的にはメーカーに連絡し修理対応する場合が多いですが、中には、対応の仕方さえわかれば、ユーザーサイドでも対応可能なケースも見受けられます。機器故障により測定出来ないということは、報告遅延に繋がり、患者様にご迷惑を掛けることになりますが、ユーザーサイドで緊急修理が出来れば、復旧までの時間が短縮され、報告遅延が最小限に抑えられます。また保守契約を結んでいない施設でも、ある程度ユーザーサイドでの保守が可能となります。
今回の研修により、説明書を読んでの対応や講義を聞いての対応といったことと違い、実技として実際に自分で分解し、点検、組み立てる作業を体験出来たことは、とても貴重であり、終了後のアンケートでは、「自施設に戻り明日からでも対応可能となる」といった意見を多くもらうことができました。また、各施設でのトラブル事例の紹介もあり、情報の共有化を図ることもできました。2月14日に至っては、実習時間を1時間近くオーバーしての研修となり、熱心な受講生の姿は素晴らしいものでした。
今回の実技研修により、通常使用で遭遇するトラブルはほぼ対応出るかと思われる内容でしたので、自施設での活用を今後期待したいと思います。

検査部精度管理委員会 委員長 渡邉通

第45回埼玉県医学検査学会

第45回埼玉県医学検査学会が12月4日(日)に、さいたま市大宮ソニックシティにて開催されました。今回、メインテーマが『挑戦』ということで私も初めての学会発表へ”挑戦”させて頂きました。
演題の決定や抄録・スライドの作成、発表の練習等、私にはほとんどの事が初めての挑戦でとても良い経験となりました。私は心臓超音波検査の症例発表を行いましたが、心臓超音波検査だけでなくCT検査や他の超音波検査を勉強する良いきっかけとなりました。発表をする立場になってみて症例や検討の勉強だけではなく、スライドの内容や発表の仕方等、学会の見方(観点?)が自分の中で変わりました。
今回の学会企画やランチョンセミナーでは臨床検査技師の新たな可能性を見いだせるテーマや、日当直への挑戦をテーマとしたものが多く、非常に有意義となる学会でした。AMG検査部からは一般演題が17演題エントリーされ、日ごろの研究、活動の成果が発表されました。
分からない事や慣れていない事ばかりでしたが、先輩方や同僚からのたくさんの支援とご指導のおかげで無事に発表を終えることができました。深く感謝致します。 今回の経験を活かして今後も対外活動に積極的に参加していきたいと思います。

上尾中央総合病院 池内栞

発表演題

  1. 経胸壁心臓超音波検査から肺塞栓症が疑われた一症例
    池内栞(上尾中央総合病院)
  2. 当院における健診腹部超音波検査の現状について
    石井宏実(メディカルトピア草加病院)
  3. 肝硬変において肝機能の悪化に伴い門脈逆流をきたした一症例
    増田章子(白岡中央総合病院)
  4. 門脈気腫を伴ったSMA症候群の一症例
    大塚香織(白岡中央総合病院)
  5. 当院で経験した膵腺扁平上皮癌の1例
    間中樹里(八潮中央総合病院)
  6. 吉川市市民祭り『動脈硬化検査体験コーナー』から得られた傾向
    山本可容(吉川中央病院)
  7. 尿中NGAL測定試薬の基礎的検討
    宗方仁美(株式会社アムル)
  8. 貯血式自己血採血の中央化に向けての取り組み
    沖村亮太(上尾中尾総合病院)
  9. 当院におけるアルブミン製剤管理体制について
    細沼祐希(上尾中央総合病院)
  10. 当院における自己血糖測定器の基礎的検討
    秋山沙織(上尾中央総合病院)
  11. 感染制御チームの取り組み
    東直希(八潮中央総合病院)
  12. 若手技師育成検討会による採血の技術向上への取り組み
    保科絵里(上尾中央総合病院)
  13. 外来採血における当科の取り組み
    安田智美(上尾中央総合病院)
  14. 当施設におけるMALDI-TOF MSを用いた血液培養迅速同定の検討
    中嶋優貴(株式会社アムル)
  15. 血液培養から検出されたChrinibacterium violaceumの1例
    本橋涼(上尾中央総合病院)
  16. 微生物検査の院内導入による検出菌の推移と臨床への効果
    斉藤はるか(上尾中央総合病院)
  17. 細菌検査室の立ち上げ
    島田千鶴(彩の国東大宮メディカルセンター)

講師

  1. 学会企画Ⅰ ~広げよう!検査技師の可能性~ /永島彬(白岡中央総合病院)

座長

  1. 市民公開講演/津田聡一郎(株式会社アムル)
  2. 学会企画Ⅱ/小島徳子(白岡中央総合病院)
  3. 生理11~14/小倉春海(上尾中央総合病院)
  4. 生理24~27/小林卓也(上尾中央総合病院)
  5. 一般3~5/林恭子(三郷中央総合病院)
  6. 化学4~6/柴田真明(上尾中央総合病院)
  7. 化学7~8/石川純也(株式会社アムル)
  8. ランチョンセミナー/長谷川卓也(上尾中央総合病院)

第55回日本臨床細胞学会秋季大会

平成28年11月18日(金)~19日(土)第55回日本臨床細胞学会秋季大会が開催されました。会場は大分県別府市の別府国際コンベンションセンター、B-Con Plazaです。今年の4月には九州で大きな地震が発生し、その後も大きな地震が頻発しており、19日の朝は雷も鳴るほどの大雨でしたが、多くの細胞検査士、細胞診専門医の方々が参加されていました。
私は日本臨床細胞学会での発表が始めてでしたが、そのような勉強熱心な検査技師、先生方の前で自身が調べた内容を話せることが大変光栄なことと同時に、身の引き締まる思いでした。また、病理の先生や先輩方、関係スタッフの惜しみない協力を受け、自信を持って発表をすることが出来きたことより、他施設の先生方にも活気ある質問をして頂きました。
発表後も症例についてのご質問や、経験談を他施設の先生とお話しする機会をもらい施設間交流の一歩にもなりました。また今回のテーマは「臨床細胞学の今を考える」、-臨床細胞診断学の未来へのステップのために-との事で、新しい細胞診報告様式のセミナーからリスク分析まで細胞診について貴重で建設的な情報を得ることが出来ました。
また、診断ではなく、よりよい標本を目指すために標本作製の「これまで」と「これから」という話も聞くことが出来ました。私自身、今回の学会を通じて未来へのステップになるよう、実りのある貴重な経験をさせてもらいました。
お力添え頂きました関係者の皆様へ心より感謝致します。

上尾中央総合病院 小林要

気管支擦過細胞診では診断が困難であった炎症性筋線維芽細胞腫瘍の一例

平成28年度 心臓超音波研修会報告

11月18日、赤坂のGEジャパン株式会社において心臓小委員会主催の心臓超音波研修会を開催しました。今回のテーマは虚血性心疾患で、各施設より25名の参加がありました。
午前に、心電図変化、冠動脈支配、エコーでの壁運動評価の見方の講義を行いました。また、学ぶ機会の少ない聴診の仕方についての講義も行い、心音や雑音のサンプル音を実際に聞いてもらうことができました。「聴診のしかたを教わったことがなく大変勉強になった」との声が寄せられました。
午後からは3グループに分け、ハンズオン研修、先天性疾患の症例提示、拡張能評価講義を各1時間ずつローテーションで行いました。
実習では超音波検査の個人差の把握とその是正を目的として、受講者に朝、研修会場に到着するとすぐに普段のやり方でSimpson’s EFの計測をしてもらい、午後の実技講習時に小委員会メンバーに教わりながら同じ画像を用いてEF計測をしてもらいました。講習前後でのEF計測値のばらつき幅を調査したところ、講習時の測定値のばらつきは小さくなり実技講習で正しい測定法を習得できたと考えられます。
実技講習では一人ひとりに多くの時間を取ることができ、「測定法の確認や普段疑問に思っていることを聞く事が出来た」との声が寄せられました。
今回の研修会は、情報発信だけでなく知識、技術の共有をはかることができた有意義な研修会となりました。

実行委員 彩の国東大宮メディカルセンター 荒生聖子

心臓超音波研修会に参加してきました。
午前中は講義のみで、心電図から見た虚血性心疾患・心臓超音波検査と領域分画(AHA17分画)・心臓超音波領域と冠動脈の関係・壁運動の見方・聴診器の構造や特性などの講義を聞き、基礎から学ぶことができてとても為になりました。
午後は講義と実技を交えての研修会になり、新生児先天性疾患の心臓超音波検査の評価の重要性や新生児の心臓超音波検査による注意点、先天性疾患修正大血管転位の心臓超音波検査の症例、内視鏡から見た心臓動画など普段あまり見られないような内容の講義を聞くことができました。実技では機械1台につき3人1組となりSimpson’s EFの計測の仕方や、普段心臓超音波検査に携わる上での疑問点などを聞く事が出来てとても良かったです。
1日を通して各施設の心臓超音波検査に関わっている方達と一緒に講義と実技を交えた研修会に参加でき、とても有意義な研修会になりました。

参加者 彩の国東大宮メディカルセンター 石川 薫

主任・管理職者研修会

平成28年10月22日(土)大宮ソニックシティ研修室において、検査部人材育成委員会主催「主任・管理職者研修会」を開催し、各施設より合計90名の参加がありました。今回は検査部のリーダーを育成することを目的とし、講師として生涯学習開発財団 認定コーチである㈱ジョンソン&ジョンソンの鈴木 孝様を迎え「リーダーとしてコーチングを活用する」をテーマに講演していただきました。
コーチングとは、相手の本来持っている能力、強み、個性を引き出し、目標実現や問題解消のための自発的行動を促すコミュニケーション技術(厚生労働省ホームページ)とされています。研修ではコーチングの基本スキルとして主に3つの方法を学びました。1つ目は「承認(伝える)」すること:○○頑張っていますね!○○良く出来ていますよ!など相手が出来ている事を言葉にして伝える事の重要性。2つ目は「傾聴」すること:今の状況や出来ていない理由など注意深く聴く事の重要性。3つ目は「質問」すること:質問の仕方として、どうしたら出来そうですか?何から始められそうですか?原因として何ありますか?など肯定的で具体的に質問する方法。これらの方法を駆使することによって部下の持っている能力を引き出せるとともにコミュニケーションも良くなり職場環境の改善にもつながります。このようなコーチングの手法を具体的な実例を挙げながら解り易く解説するとともに我々も参加させる手法で講演していただき、楽しく有意義な研修会でした。
コーチングの内容を総合的に自分の物とするのは、簡単では無いと思います。しかしコーチングを活用すると、業務や会議そしてプライベートでも円滑なコミュニケーションが取れると感じました。今後も人材育成のために様々な研修会を企画して行きたいと思います。

勝田病院
繪面俊明

検査部新人リフレッシュ研修会を終えて

9月30日、臨床研修センターにて28年度入職の検査部職員を対象とした新人リフレッシュ研修会が開かれました。
まずロシュ・ダイアグノスティックス(株)DC事業部 営業部 石橋剛氏による講演が行われました。職場にはいろいろなタイプの上司・先輩・同僚がおりますが、それぞれのタイプの方とうまく付き合う方法を学びました。普段参加している臨床検査技師の研修会や勉強会と異なり今回学んだコミュニケーション法は、日常生活でも大いに役立つものと思います。今後はこのような研修会にも興味を持ち参加出来ればと感じました。
その後、新人が6人ずつのグループに分けられ、「半年間を振り返り、良かったこと悪かったことをあげる。さらに発展させるには、またどうすれば改善できるのか?」というテーマで意見交換を行い、模造紙一枚にまとめて発表を行いました。意見を出し合い、それをみんなでまとめていく過程は、難しくも面白かったです。班ごとに個性があり、しっかりと発表の流れをつかんでいるグループや、常識にとらわれず自由な発想でうまくまとめているグループなど、聴く側としてもとても楽しめました。
研修会終了後には懇親会が開かれました。同じグループに務めているとはいえ職場が違うため今までほとんど同期と話す機会はありませんでしたが、この機会に多くの同期と交流を深めることができました。
講演で学んだコミュニケーション法は業務に生かしていきたいです。また、グループワークや懇親会で、同期や先輩方と様々な話をできたことは文字通りリフレッシュに繋がりました。今回の研修会は、様々なものを得られ、これからの業務により一層励んでいきたいという気持ちが膨らむ会となりました。

柏厚生総合病院 検査科
魚津 沙織

平成28年度 血管超音波研修会

平成28年9月23日、上尾中央総合病院臨床研修センターにおいて、血管超音波研修会が開催されました。今年のテーマは『下肢静脈』で、各施設から33名の参加があり、静脈の基礎・深部静脈血栓症・静脈瘤についての講義・静脈疾患及び脈管関連の症例検討・ハンズオン・血管超音波検査報告書についてのワークショップと、さらにテーマの下肢静脈に留まらず、血管超音波検査全般に及ぶ内容となりました。参加者からは、「自施設で経験したことのない希少な症例を見ることができた」「検査のテクニックを習得できた」「他の施設の検査方法や報告書を見ることで自施設の検査に活かせる」などの感想が寄せられました。超音波検査には、幅広い知識と経験が必要であり、検査部全体で、情報・経験・技術を共有する有意義な研修会となりました。

上尾中央腎クリニック
渡邉ますみ

平成28年度AMG適正輸血委員会・輸血研修会

適正輸血委員会主催の輸血研修会を、9月13日(火)上尾中央臨床研修センターにて開催しました。23施設から32名の参加がありました。
前半の講義としてオーソ学術課の吉田様を講師に迎え「見直そう輸血の基礎について」というテーマで講演して頂きました。特に輸血検査における精度管理は、常に一定の精度を保っていることを保証するために必要とのことであり、その重要性を再確認させられました。
後半では「アルブミン管理に関して」をテーマに、戸田中央総合病院、上尾中央総合病院の代表の方に各施設の検査室での取り組みを講演して頂きました。過去、両施設ともにアルブミンの管理は薬剤部で行い、他の輸血用血液製剤は検査科で行っていましたが、これを一元管理するために薬剤部から検査室へ管理を移行するうえでの苦慮したところや、移行するタイミングなど一連の流れを聴講しました。運用するにあたってはメリットもありますが、デメリットとしては検査科業務が増える為、看護部・検査科職員への理解、協力が必要であるとの事でした。
輸血管理料Ⅰを算定するためにはアルブミンを含めた輸血用血液製剤の一元管理が必要であり、今後、検査科でアルブミン管理を行う上での参考になれば良いと感じました。 今後も委員会として最新情報や要望に応えた研修会を継続していきたいと考えております。

株式会社アムル
上尾中央臨床検査研究所
髙橋 綾子

第65回日本医学検査学会

第65回日本医学検査学会が、平成28年9月2日(金)~4日(日)に、兵庫県神戸市にある、神戸ポートピアホテル、神戸国際会議場、神戸国際展示場で開催されました。今回の学会はIFBLS2016(第32回世界医学検査学会)、第63回日本臨床検査医学会学術集会、第11回日本臨床検査学教育学会学術大会と同時開催でした。
西日本では連日猛暑が続いており、事前に「クールビズを実践いたしますので、上着・ネクタイを着用せず、軽装でお越しください」との案内がありました。
当然の事、注意事項はありました

※えりのあるシャツ(ポロシャツ等)をご着用ください。
半そで、ノーネクタイ・ノージャケット可。
Tシャツ、短パン、サンダルはご遠慮ください。

実際、神戸に降り立つと、短パンでも熱いぐらいでした。
学会メインテーマは、「challenge伝統の継続と未来への進化」でした。近年の医療改革が進む中、臨床検査を通じて社会により良質な医療を提供するために、われわれは何に挑戦してどのように進化すべきか、臨床検査技師の明るい未来に向けて、熱い思いが伝わる雰囲気でした。そんな中、AMG検査部からは一般演題が日本医学検査学会12演題、日本臨床検査医学会5演題、合わせて17演題がエントリーされ、日頃の研究、活動の成果を発表してきました。
私自身、全国学会での発表は初めてでしたが、諸先輩方からのアドバイスやAMG検査部主催の学術報告会などに参加して、know-howを吸収できた為、当日は多少の緊張はあったものの、無事に発表を終える事が出来ました。
AMGグループのメリットとして、様々な横のつながり、サポートがあります。発表経験が無い方も、是非チャレンジしてください。

越谷誠和病院 染谷暢男

  1. 上尾中央医科グループ検査部適正輸血委員会活動第五報~輸血後感染症向上への取り組みについて~
    濱田昇一(メディカルトピア草加病院)
  2. 輸血前感染症検査結果に関する検討
    芦 直樹(東川口病院)
  3. ヒヤリハット解析による病理検査事故予防の構築
    渡邉 俊宏(株式会社 アムル)
  4. 閉がん診療連携拠点病院における超音波検査の現状2(技術)第2報
    田名見 里恵(上尾中央総合病院)
  5. 凍結検体輸送時のドライアイスの量が凝固検査に与える影響と回避方法の検討
    中田 正人(株式会社 アムル)
  6. 人材育成におけるラダーの導入と効果
    繪面 俊明(勝田病院)
  7. 肺炎パス適応患者の肺炎球菌陽性率と検査法の比較検討
    大場 雄一(船橋総合病院)
  8. POCT用グルコース分析装置の内部精度管理
    染谷 暢男(越谷誠和病院)
  9. 尿中L-FABPと腎機能関連マーカーとの比較検討
    石川 純也(株式会社 アムル)
  10. 超音波委員会心臓小委員会活動報告~心臓超音波検査の標準化に向けた取り組み~
    石渡 志穂美(金沢文庫病院)
  11. 高齢者における弁膜症の有無に関する検討
    飯塚 悠(東川口病院)
  12. 超音波委員会血管小委員会活動報告~VA超音波検査普及への取り組み~
    渡邉 ますみ (上尾中央腎クリニック)

第63回日本臨床検査医学会学術集会

2016年9月1~4日に第63回日本臨床検査医学会学術集会が、神戸ポートピアホテル、神戸国際会議場、神戸国際展示場にて開催され、発表させて頂きました。

学会のテーマは「Challenge:臨床検査の連携と協働」で、上尾中央総合病院からは下記の5演題がエントリーされ、口演発表(全演題ポスター掲示)しました。

  • 電子メールを利用した検査医不在の病院検査室勤務者も対象としたR-CPCの有効性/波多野佳彦
  • 検査技師と検査医の協力による血液検査異常値報告システムの構築とその効果(第1報) /青木早紀
  • 臨床検査技師がインフルエンザ迅速検査を救急室で実施することによるチーム医療上の意義は高い(第2報)/長谷川卓也
  • 重要異常値の提案とその運用方法(第1報) /笹原美里
  • 「パニック値」の見直しと「パニック値」の適切な報告には臨床検査技師と臨床検査専門医の協力が必要(第2報)/菊池裕子

私は初めての学会発表が今回の日本臨床検査医学会ということで、とても緊張していましたが、無事発表を終えることができました。また発表するに当たっては、抄録・スライド・ポスター作成や科内の予演会など、熊坂先生をはじめ、先輩方のご指導のおかげだと思っています。
今後も学会発表をする機会がありましたら、今回の経験を活かして、さらに良い発表ができるよう、精進していきたいと思います。

上尾中央総合病院
検査技術科
青木早紀

『ラボセミナー』の開催 ~医療従事者の卵を育てる活動~

8月20日(土)13:30~16:00に上尾中央総合病院において、検査技術科主催「ラボセミナー」を初めて開催しました。このセミナーは青少年のキャリア形成の一環として、近隣中学校の生徒さんと、当院職員のお子様で中学生(一部高校生を含む)を対象とした臨床検査の職業体験です。病気を診断する際に欠かせない臨床検査の仕事を体験していただき、医療への興味や医療現場でのメディカルスタッフの役割と大切さを理解していただく企画となっております。
この企画は、関東で開催している施設が極めて少なく、亀田総合病院のセミナーにサポート経験のあるメーカーより、企画の紹介をきっかけに開催準備を開始しました。近隣中学校への営業から始まり、亀田総合病院へのセミナー見学、職員のお子さんの募集や新聞社へのプレスリリースへのチャレンジなど、全てが初めての経験でした。

当日は、上尾西中学校より7名(うち1名欠席)と職員のお子さんを含む中高生8名の参加希望があり、計14名の方が参加となりました。
開会式では院長の挨拶(臨床検査専門医より代読)のあと、講義の中で、病院の役割、病院内における検査の流れや検査の重要性を説明し、その後各班に分かれて、4つのアクティビティ:「模擬採血」「心臓超音波(エコー)検査」「血液像の顕微鏡検査・血液型の判定」「微生物検査紹介・手洗い実習」を体験していただきました。真剣に模擬採血の腕に注射針を刺すことに集中する様子や、自身の心臓にエコーのプローブを当てて、目の前で動く心臓を観察できることに感動している様子のほか、手洗い実習で自身の手の汚れをブラックライトで確認するなど楽しんでいる様子が見受けられました。
閉会式では、臨床検査専門医より一人一人修了証授与が行われました。解散後、玄関まで生徒さんをお見送りした際に、お友達と「ホント、楽しかったね!」「また来たいね!」と目を輝かせて帰って行きました。さらに職員のお母さんからも「本人が本当に感動して帰ってきました。採血のアクティビティでたくさんほめられたせいか、将来採血をする人になりたいと言っていますよ。」など、たくさんの嬉しいコメントが届きました。
医療従事者の卵を育てる夢のある活動として、今後も活動を継続していきたいと思います。

平成28年9月6日
上尾中央総合病院
検査技術科
菊池裕子

腹部超音波勉強会

津田沼中央総合病院において7月25日に秋田赤十字超音波センターの石田秀明先生をお招きして、第4回目となる腹部超音波勉強会を開催致しました。
石田先生は超音波医学会における重鎮で、超音波学会に係わる人なら、誰でも一度はこの名前は聞いたことがあると思います。そのような超音波検査の大家と当院検査科が知り合ったのは、数年前に石田先生が講師として招かれていた千葉県での超音波勉強会でした。勉強会での施設紹介のコーナーにおいて当院検査室の紹介をした所、その発表に興味を持たれ連絡を頂いたのがきっかけとなり、それ以来、年に1~2回当院に来て頂きご指導いただく関係になりました。現在では当院のみならず、グループの病院にも声掛けして勉強会を開催しています。
当日の午前中は当院の職員を対象に、事前に連絡しておいた解釈の難しい臨床症例について、造影超音波やSMI(Superb Micro-vascular Imaging)ドプラやトランジットエラストグラフィーなど新技術を用いて先生とともに検査を実施しました。午後からは、グループの検査技師も参加し、事前に各施設から集めた超音波検査に対する記録方法や疾患や病態、臓器などに対する様々な疑問に解答して頂き、次に各施設から疑問のあった症例が呈示され、詳しい解説をして頂きました。また、先生は認定超音波検査士の委員でもある事から、疾患のみならず超音波の基礎領域についても詳細に解説して頂き、超音波検査の認識と可能性が示唆される有意義な勉強会でありました。

しかしながら、毎回活発な討議が行われる為、いつも帰りの飛行機に間に合うかどうか心配になり、最後は時間を気にしながら進行することになります…。

津田沼中央総合病院 藤沢一哉

AMAT隊員養成研修参加を通して

平成28年度6月18日(土)~19日(日)に日本医科大学付属病院で開催された平成28年度 第1回 AMAT隊員養成研修に、当院の医師・看護師と共に参加をして来ました。

初めにAMATについてお話をして行きたいと思います。
AMATはAll Japan Hospital Association Medical Assistance Team の略称で、公益社団法人全日本病院協会が定めた災害時医療支援活動班のことを指し、災害が発生した急性期から亜急性期において災害医療を行う事を目的として活動します。主な活動内容としましては病院支援、避難所や要救護者がいる現場での診察や診療、被災者の被災地外への搬送など多岐に渡っています。DMATとの違いは、DMATが4~5名1チームとなって災害急性期の48時間以内に被災地内へ入り、消防署や警察、自衛隊などと連携して迅速に災害医療を開始するのに対し、AMATは3名1チーム(医師、看護師、業務調整員)で構成され、最大の目的は防ぎ得る災害関連死を無くすことにあります。

私は業務調整員として参加しました。業務調整員は臨床検査技師や薬剤師、事務職員などのコメディカルスタッフで構成されており、被災現場での活動補助および記録、必要機材の手配、活動スケジュール管理、活動に関する環境整備、各医療機関・他のAMAT隊との連絡・連携、隊員の体調管理など、多岐に渉った業務を行います。

本研修ではAMATの概要説明から始まり、主な活動内容や実践すべき事など基本的な事項の講義、6名1グループでの実際の災害を想定したシミュレーションなどが行われました。また、熊本大震災が発生した際、実際に出動したAMAT隊員から被災地の現状報告があり、机上では学ぶことの出来ない現場の生の声が聞くことができ、非常に参考となりました。
最後に試験が行われ、9月中旬に認定証とヘルメット、ジャケットが当院に届き、正式にAMAT隊員として登録されました。

2日間の研修を通してAMATの活動理念や災害医療の実際、災害弱者への救護活動など様々な事が学べました。
地震などの災害が発生しない事が1番ですが、万が一災害が発生した際には今回の研修の経験を活かし、少しでも被災地での支援や病院支援を行い、もとの生活が取り戻せる様に活動をしていきたいと考えています。

上尾中央総合病院 検査技術科 小林拓也

第4回AMG検査部学術報告会を終えて

報告者 松澤 秀司

平成28年6月18日(土)午後から、昨年に引き続き浜松町にある東芝本社ビル39階で第4回AMG検査部学術報告会が開催されました。30℃を超える真夏日の中、30施設から210名の参加となりました。
初めに横浜相原病院の吉岡実行委員長より挨拶があり、その中で、「参加するに当たり、同じ時間を過ごすのであれば義務的に参加するのではなく、学びの姿勢で有意義に過ごす方が最終的には自分のためになる」との言葉が印象的でした。
今回の学術報告会の演題は、平成27年度に学会発表された59演題の中から各学会で学術奨励賞及び学会長特別賞を受賞した2演題と、検査部学術委員会で厳選した3演題の計5演題で、内訳は生化学部門・一般検査部門・輸血部門・病理部門・生理部門からそれぞれ1演題としました。各演者の発表は素晴らしく、演題に対しての質疑応答も活発に行われ、制限時間内では終了できない場面もありました。
また、今回は初めての試みで、論文の書き方について奥住先生を講師にお迎えして特別講演を行いました。先生は獨協医科大学病院 感染制御センター感染管理者であり上尾中央総合病院検査技術科細菌検査室技術指導者として私たちにご指導して頂いております。講義では論文を書くときのポイントを論文用オリエンテーションシートに沿ってとても分かりやすく説明していただき、また話し方がとてもユニークで楽しく聞くことができました。検査部では積極的に学会発表が行われていますので、今後は学会で発表された内容が論文になっていく事を望みます。
この学術報告会は、今回を以って一度終了となり来年度からはAMG学会へ移行する事になりました。今後も各施設での学術活動の継続と、新しい分野へ挑戦する事が重要だと感じました。

第61回 日本透析医学会学術集会・総会

2016年6月9日~12日に第61回日本透析医学会学術集会・総会が大阪国際会議場、他4会場にて開催されました。
学会テーマは「持続可能な透析療法を目指して」でした。
本学会は血液浄化療法に関する最大の学会であり、日本の透析療法にかかわる多職種の医療従事者が一堂に会する学術集会です。毎年約2万人の参加者が集まります。
教育講演、特別講演、シンポジウム、各種セミナーなどをはじめ、一般演題(口演)1,454演題、一般演題(ポスター)1,594演題が発表されました。
本学会にはAMG検査部から2年ぶりの演題発表でしたが、当クリニックの水村院長をはじめ、職員の皆さんに協力して頂けたことで、演題としてまとめ上げることができました。
発表は「透析患者における動脈石灰化とABI、CAVIとの対比」について行いました。なおAMGグループとしては他に22演題が、医師・臨床工学技士らより発表されました。
本学会に参加したことで、透析療法の現状の検討、反復可能な安全性の追求、建設的な開発、多職種がそれぞれの視点から情報を共有し、毎年再構築されていくこの医療分野を目の当たりにし、透析療法という特殊な分野に対する理解と、検査技師としての携わり方について今後も探求していきたいと思います。

上尾中央総合病院附属エイトナインクリニック
小林 茉由

日本超音波医学会第89回学術集会

報告者 泉谷 千穂

2016年5月27~29日の3日間、日本超音波医学会第89回学術集会が国立京都国際会館にて開催されました。AMG検査部から4演題の発表がありました。 27日に、私は『胆管拡張を伴った肝右葉嚢胞の2例』でポスター発表をいたしました。

今回、初めてポスター発表を経験し演題登録、ポスター作成、発表で沢山の事を学び経験する事が出来ました。共同演者の方々、ご指導を頂いた方々に感謝いたします。今後もこの経験を生かし、知識の向上、後進の育成へと繋げられるように努めていきたいと思います。

発表演題

  1. 著名に発達した動脈-門脈(A-P)短絡を伴った肝血管腫例
    津田沼中央総合病院 本間 明子
  2. 小腸間膜から発生したdesmoid tumorの一例
    津田沼中央総合病院 山口 梨沙
  3. 超音波が発見の契機となった後縦隔発生の未熟奇形腫の一例
    津田沼中央総合病院 藤沢 一哉
  4. 胆管拡張を伴った肝右葉嚢胞の2例
    桜ヶ丘中央病院 泉谷 千穂

第7回AMGグループサーベイ講評会

平成28年5月20日(金)に大宮ソニックシティにおいて、AMG検査部精度管理委員会主催、第7回AMGグループサーベイ講評会が開催されました。

このグループサーベイは、血液学・臨床化学を対象としており、AMG検査部精度管理委員会小委員会のメンバー全員で試料作成・発送・結果集計・解析・講評会企画を実施しました。今回はメンバーとして参加したことにより、サーベイの意義、企画運営の大切さを実感した会でもありました。

講評会には50名以上の参加者が受講し、熱心に耳を傾けていました。総論を大場委員(船橋)、血液学を中田委員(アムル)、臨床化学1を波多野委員(上尾)、臨床化学2を藤田委員(柏厚生)で担当しました。総論では、結果入力した際の確認方法と確認を怠らない事の大切さを改めて認識させられました。血液学では、各項目の詳細な意味や機種ごとの特徴、シスメックスサポートインフォメーション内の技術情報の活用方法についても学びました。臨床化学では、昨年に引き続きサーベイ該当月の日々のコントロール値との比較について発表があり、日常の精度管理とサーベイとの繋がりを学び、精度管理の重要さを再認識することが出来ました。また講評会終了後の懇親会にも多くの方が参加し、日々の疑問や問題点などが活発に話し合われました。

精度管理は難しく捉えられることが多く、自施設のみでは、解決に至るまで時間を要す事も多々あります。各施設で困ったことや疑問に思ったことは、どの施設でも経験することであり、このような会を通じて各施設の情報を持ち寄り、皆で勉強することでAMG検査部全体の検査精度の向上に繋がっていくと思いますので、今後も各施設からの積極的な参加をお願い致します。

「子宮体内膜細胞診」病理細胞検査委員会

4月11日(月)、アムル食堂において上尾中央総合病院の大野喜作技術顧問を講師に迎え、子宮体内膜の細胞診について研修会を行いました。

細胞診とは、擦過や穿刺吸引、自然剥離などで得られた細胞を標本とし、細胞レベルで悪性かどうか判断する検査です。実際には細胞が置かれる周囲の状況証拠と採取部との整合性から観察し、細胞や核の形や大きさ、並びや重なり方、細胞結合の強さ、常識的な細胞量との乖離などを手掛かりとし、細胞診断学的分類と照合して判断されます。これらは、細胞検査士と病理医によって行われています。

とりわけ子宮体内膜は、細胞診という業務の中でも判断が難しいとされる分野です。昨年入職された大野技術顧問は、子宮体内膜分野の細胞診において形態を数値化する「大野式レーダーチャート」という診断方法を開発・普及に努めてきました。

研修会では、形態学的なレクチャーとともに、大野式レーダーチャートの使い方やチャートに用いる指標について説明され、実践的な内容でした。また、出来るだけ数値で表す事で、より標準化できることの大切さについてお話しされました。

会場には細胞診検査に携わる26名の聴講者が集まり、狭い部屋が熱気に満ちていました。

大野式レーダーチャートの考え方を理解することにより、AMGの細胞診がより標準化でき、また細胞検査士を目指す臨床検査技師にとっては、大きな道しるべになることと思います。

本当はもっと話したいことがあったという事でしたので、続編を開催したいと考えています。

新入職研修を終えて

株式会社アムル 吉岡里紗

「社会人として、そして臨床検査技師として果たすことは何か」

今春より上尾中央医科グループの一員として働くことが決まってから、この疑問が頭から離れませんでした。新たな環境へ踏み出すことへの期待と、社会人としてそして医療人へなることへの漠然とした不安を抱きながら三日間の新入職員研修会に参加しました。

一日目・二日目の全体研修では「接遇マナー研修」や「医療事務研修」などの講習を受けて、社会人としての基礎と、「社会人はより多くの義務と責任を全うすることで、権利や自由を得ることができる」という心構えを学びました。

三日目の臨床検査部門研修会では、上尾中央医科グループの臨床検査技師の先輩方が、医療全域で大きく貢献していること、そしてこれから私たちが上尾中央医科グループ・検査部門の要となることを強く感じました。また同期の方とコミュニケーションを取った事で、今後の強い心の支えとなる存在に出会う事が出来ました。

今回の研修より私は、「社会人として、そして臨床検査技師として果たすこと」は「患者様の治療を支えるため、検査技術で自身の責務を全うすること」と考えました。スタートラインに立った今、直ちに責務を全うすることは難しいと考えます。しかし、これからの業務において少しずつ技術や知識を習得し、患者様の診断・治療を支えることができる臨床検査技師を目指して、努めていきたいと思います。