手術看護
手術決定から回復期の周術期看護を提供します。重症な病態を持つ患者さまの手術に対して、年齢を問わず対応します。また手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理など)を行っています。
病院別 資格取得者数
彩の国東大宮 メディカルセンター:1名 |
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三郷中央総合病院:1名 |
コンサルテーション例
術前
- 洗浄、消毒、滅菌管理
- 術前訪問
- 術前のフィジカルアセスメント
術後
- 術後訪問
術中
- 手術患者・部位の誤認防止
- 体温管理
- ラテックスアレルギーについて
- 検体の取り扱い
- インプラントの取り扱い
- 手術体位のポジショニング
- ME機器の取り扱い
- 深部静脈血栓症予防
- 術中訪問
- 手術看護記録
- 体内遺残防止(ガーゼカウント、器械カウント)
このほかニーズに合わせた研修会なども可能です。
お気軽にご相談ください。
認定看護師 活動報告
2023年8月紹介
彩の国東大宮メディカルセンターは埼玉県にある337床の二次救急指定病院で、高度な急性期医療で地域に貢献しています。手術室は6室あり、年間約3,000件の手術を行っています。2021年4月には最新型第4世代手術支援ロボット「ダビンチX」を導入しました。現在は泌尿器科、消化器外科でダビンチ手術を行っており、2022年度は年間129件のダビンチ手術を実施しています。
2022年度の診療報酬改定で「術後疼痛管理チーム加算」が新設され、彩の国東大宮メディカルセンターでは2022年10月から術後疼痛管理チーム(Acute Pain Serviceチーム)を立ち上げ活動を行っています。術後疼痛管理チームは、手術を受けた患者の疼痛や嘔気などの苦痛を緩和し、周術期の生活の質(QOL)の向上、合併症の予防等を目的として活動しています。術後疼痛管理チームのメンバーは麻酔科医、看護師、薬剤師です。看護師は特定行為研修の「術中麻酔管理パッケージ」を修了し、看護の専門性を発揮しています。薬剤師は日本麻酔科学会の「術後疼痛管理研修」を修了し、術後疼痛に関する薬剤の専門的知識を活かして活動しています。
現在、月曜日から金曜日の9:00からチームで回診を行い、毎月カンファレンスを行っています。今後はより様々な職種のスタッフもチームメンバーに加え、それぞれの専門性を活かし、より安全で質の高い術後疼痛管理を目指し活動していきたいと考えています。
私は手術室で数年間勤務し、その後外科病棟で勤務することになりました。
外科病棟のスタッフと働く中で、手術看護をもっと知ってほしい、もっと学びたいという思いが強くなり、手術看護認定看護師を目指したいと考えるようになりました。その後、病棟スタッフや手術室のスタッフ、所属長などの協力を得て、AMG資格支援制度を利用し2022年3月に東京都で特定行為を含む認定看護師教育B課程を修了しました。2022年10月に認定看護師認定審査を受け、手術看護認定看護師になることができました。
手術看護と聞いて、医師に器械を渡す看護師をイメージする人が多いのではないでしょうか。手術室看護師は、患者や家族が手術を受けると決定した時から、手術侵襲から回復するまでの過程で看護を行っています。手術中を中心として看護を行うことが多く、手術中は器械出し看護、外回り看護の2つの役割を担っています。手術を受けることは、患者にとって人生の大きなイベントの一つです。患者は手術を受けることや麻酔に対する不安、苦痛、戸惑い、希望、期待など様々な感情を抱え、その時の状況によって心理が移り変わっていきます。そのような患者の心理的変化をタイムリーに捉え、患者に関わることができるのは私たち手術室看護師です。患者を全人的に捉え、より安心、安全な看護を実践するために、周術期のチームの一員として日々自己研鑽をしていきたいと考えています。
また、私は特定行為研修である「術中麻酔管理パッケージ」を修了し特定行為実践を行っています。特定行為は診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされています。手術室は特殊な環境であることから、特定行為を手術室看護師がおこなう付加価値は何かを常に考え、特定行為の実践を行っています。日々学ぶことが多いため、安全な特定行為の実践に向けて今後も学習を続けていきたいです。
彩の国東大宮メディカルセンター 松村 礼奈
2020年10月紹介
世界中、日本中が新型コロナウイルス(COVID-19)の広がりに混乱する中、三郷中央総合病院手術室では4月に、COVID-19陽性疑い患者の対応手順書作成を行い、人員配置調整や感染防止対策を実践しております。
「新型コロナウイルス陽性および疑い患者に対する外科手術に関する提言」では、『エアロゾルを発生し得る処置としては、気管挿管および抜管、気管切開、マスク換気は飛沫感染のリスクが高い』(一部抜粋)と言われています。そのため、当院では全身麻酔を受ける患者の挿管・抜管時に写真のような架台を使用してエアロゾルが飛散しないような対策を行っています。
この架台は、COVID-19対策について他施設との情報交換の場で紹介されていた架台をヒントに、ホームセンターで売っているパイプと連結管を利用し当院の麻酔科医、看護師、臨床工学技士と共同で作成しました。
ビニールは試行錯誤を重ね、現在は90Lと20Lのビニール袋を組み合わせて患者の上半身を覆っています。
作成に当たっては挿管チューブや喉頭鏡がパイプと干渉しないように麻酔科医側のパイプを取り除き、患者の肩にパイプが当たらないように幅を調整するなど工夫しています。まだまだ改善の余地はありますが、この架台は患者と職員の安全を守るための重要な役割を果たしてくれています。
また、当手術室では全ての挿管・抜管時には麻酔科医、介助看護師にはN95マスクを装着していますが、物資が限られているため、挿管・抜管の介助看護師は1日1~2名に限定しています。
あらゆる病院施設で物資不足や、スタッフの不安、人員制限による疲弊など様々な壁が立ちはだかっている状況であると思います。当手術室でもこのような困難な状況が続いていますが、これまでの感染対策を見直すいいきっかけとなったと思います。ピンチはチャンスと捉え、スタッフ一丸となって力を合わせ、この困難を乗り越えていきたいと思っています。
三郷中央総合病院 鈴木 和佳子
2019年4月紹介
私は三郷中央総合病院の手術室に所属し、2018年7月に手術看護認定看護師を取得しました。ここでは認定看護師を目指した理由と、現在および将来の活動内容について簡単に紹介したいと思います。
これまで手術室、病棟、外来など様々な経験をさせていただいた中で手術看護に一番やりがいを感じ、今では手術室勤務は11年となりました。手術を受ける患者さんが、「当院で手術を受けて良かった」と思ってもらえるようにしたいという思いと、根拠ある手術看護を学びたいという強い気持ちから、手術看護認定看護師取得を目指しました。
「手術看護」と言いましたが、手術室に看護はあるのか?という言葉をよく耳にします。手術室は特殊で閉鎖的な空間であり、同じ看護師同士でも、その看護の内容は見えにくい部分があります。そのため、手術看護認定看護師として手術看護を可視化し、手術室内外にそれらを周知することで、より質の高い手術看護が実践されるようにしていくことが重要な役割と考えています。
近年、手術看護は手術の場だけではなく、術前・術中・術後を含む周術期看護へと役割が拡大してきています。さらに質の高い手術医療を提供するために、手術室看護師は手術を行うチームの調整役を担っています。また、患者さんが手術を受けることに対して、主体的に意思決定ができるよう情報提供を行ったり、多職種間の調整を行うことが求められています。
現在、私は手術室所属長であり部署内の看護管理がメインの業務となっています。しかし今後は手術看護認定看護師として先述した手術看護(周術期看護)の可視化を行い、周術期に関わるスタッフが活き活きと質の高い手術医療を行うことができるように関わっていきたいと考えています。そして、当院だけではなく手術を受けるすべての患者さんが手術を受けて良かったと思えるような環境を構築していきたいと思います。壮大な夢ですが、それに向かって一つひとつ行動すれば夢はきっと叶うと信じています。
三郷中央総合病院 鈴木 和佳子