平成29年度 研修・教育
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平成29年度 AMG検査部超音波委員会 乳腺超音波研修会

AMG検査部超音波委員会主催・乳腺超音波研修会を、3月9日(金)に上尾中央総合病院で開催しました。今回で9回目の開催となりましたが、「ガイドラインを知る」のテーマのもと、乳腺超音波検査に携わる16施設から18名の参加があり、エコークイズ・講義・症例検討・実技講習を1日研修として実施しました。

今回、新たな内容として、『エコークイズ』を行いました。日本乳がん検診精度管理中央機構が行う画像試験のような形式で、静止画・動画20問を出題し、スクリーンに映し出される画像を読影して、推定疾患名とカテゴリー分類を回答してもらいました。その後、『基礎の振り返り』として、疫学や解剖・病理について復習し、所見や用語についても再確認する講義を行いました。『カテゴリー分類』では、症例提示しながら、読影の手順やポイントを整理しました。『症例検討』では、技師会サーベイの振り返りも行い、超音波画像の読影を基礎から見直す時間となりました。そして再度、エコークイズにチャレンジしてもらいました。先程と同じ問題です。最初の出題で、曖昧だったことや不明な点などに気付き、知識をしっかり定着させる試みとして、このような順番で行いました。集計結果から、カテゴリーの一致率、感度、特異度とも上昇が見られ、委員会としても手応えを感じております。

午後からは、埼玉県診療放射線技師会会長の田中宏先生をお招きして、『マンモグラフィとエコーの総合判定』の講義をして頂きました。毎年大好評の田中先生の講義ですが、今回は時間を拡大し、さらに多くの症例を取り上げて頂きました。乳腺エコー従事者にとって、マンモグラフィの知識習得は必須となってきました。今回も解剖や病理、マンモグラフィとエコーの基礎から読影まで、丁寧にご説明頂きましたが、参加者の皆さんも、他モダリティの知識習得に向けて熱心に聴講されていました。

ピンクリボンアドバイザーである上尾中央総合病院技師長の菊池科長からは、活動を通した患者様の視点からのお話も頂きました。知識盛りだくさんの研修会でしたが、検査する者の心構えや接遇についても、各施設でぜひ今一度伝達してほしいと思います。

最後は、『エラストグラフィ』についての講義と実技です。基本的な内容と症例を提示しながらの講義で知識の共有を図った後、3班に分かれて、エラストグラフィの走査方法について実技講習を行いました。平成26年度に改訂発行された「第3版乳房超音波診断ガイドライン」にも新たにエラストグラフィの項目が追加されています。この機能を適切に活用できるよう、委員会としても技術・知識ともの習得を推奨していきます。

ここ数年マスコミの影響もあり、乳がん検診への注目度はさらに高くなっていますが、Dense Breast(高濃度乳腺:マンモグラフィ上、広範囲で高いdensityを示す場合、乳がん検出率が著しく低下する)の報道やマンモグラフィとの総合判定などで、乳腺超音波検査へのニーズも高まっています。超音波検査は非侵襲性の検査で、場所や患者様を選ばず実施できます。しかし、他の画像検査に比べ客観性に課題もあります。私たち臨床検査技師の行う乳腺超音波検査が乳がんを見落とすことなく患者様の不利益とならない検査であるように、AMG検査部として、知識・技術の向上はもちろん、標準化に向けても、継続的に活動してまいります。

報告者 : 乳腺超音波小委員会
アルシェクリニック
検査科 萩原 良枝

平成29年度 AMG精度管理委員会 アボット ARCHITECT機器メンテナンス講習会

株式会社アボットの協力のもと、2017年2月20日(火)に東京都港区住友不動産三田ツインビル西館5階のショールームを借りて、免疫測定装置であるARCHITECTのメンテナンス講習会を開催いたしました。研修会には11名が参加しました。

研修内容は、最初の1時間で免疫学・免疫機器の基礎学の講義を行い、その後病院で使用している機器別にグループに別れ、実機を用いて定期メンテナンスの仕方や多く出るエラーや対処法を実技体験しました。

普段ルーチン業務で使用しているものの、ユーザーがメンテナンスを行うところは限られており、トラブルが発生した場合はメーカーに連絡し対処してもらうことが多いと思います。しかし、ユーザーが自分自身でトラブルの対応可能であれば、早期対処ができ病院・患者様にご迷惑をかける時間が少なくてすみます。

今回の研修には、普段メンテナンス作業を行っていない参加者もいましたが、講義と実技の両方を行うことにより知識が深まり「自施設に戻って実際に行いたい」という意見も聞かれました。

検査室で1人でも多くの人がメンテナンスを行うことができるようになれば、トラブルの回避や精度向上にも繋がります。今後も様々な研修会を企画し、検査部のスキルアップに貢献できればと思います。

三郷中央総合病院 検査科 林達矢

第37回 千葉県臨床検査学会に参加して

2018年2月18日に第37回千葉県臨床検査学会が千葉大学構内のけやき会館にて開催されました。一般演題として計17演題がエントリーされ、AMG検査部からは2演題の発表がありました。

私はH. pylori血清抗体法及びH. pylori尿中抗体法についての比較と相関性の検討を行い、発表させて頂きました。初めての学会発表ということもありとても緊張しておりましたが、諸先輩方のご指導、ご支援により、無事に学会発表を終えることができました。深く感謝致します。また、様々な分野の発表を拝聴することで自身の知識も深めることができ、非常に有意義な経験をさせて頂きました。

今後の展望として、追加検討を行ない、今回の発表演題の内容を少しでも進展できるようにしていきたいと考えております。引き続き部外活動に参加することで臨床検査技師としての質を高め、日々の業務に活かし、向上していけるように精進して参ります。

柏厚生総合病院 検査科 岡田 菜々美

発表演題

  1. 腸管スピロヘータ症を見逃さないために ~2症例における病理学的検討~
    五十嵐 祐紀 (津田沼中央総合病院)
  2. 血清H. pylori抗体検査法導入における尿中H. pylori抗体検査法との比較
    岡田 菜々美 (柏厚生総合病院)

平成29年度 AMG検査部精度管理委員会 機器メンテナンス研修会

昨年度好評だった血液自動分析装置のメンテナンス講習会をシスメックス株式会社の協力のもと2017年7月19日(水)と2018年2月14日(水)の2班に分かれ、共に品川区大崎にある同社の東京支店・東京ショールームを借りて実施しました。両日あわせて27名参加となりました。

研修内容は、まず機器についての測定原理やデータの見方などの講義を行い、その後各病院で使用している機器別に分かれて、定期的なメンテナンスの仕方と日常多く出ると思われるエラー時の原因箇所についての確認作業等を、実際の機器に触れながら行いました。講習会を受けた中には、「いままで機器の中を見たことが無かったので大変良かった」「実際に触れて作業が出来たので今後の業務に生かせそう」などの意見がありました。日常業務では、機器は常に検体測定中もしくは緊急検査に備えスタンバイの状態であるため、中を覗くことはトラブル時にしか経験できませんでしたが、説明を聞きながら動きを確認し直接手に触れて作業できたことで理解が深まったと思われます。

また、実技に対する時間が短いとの意見もあったため、今後は講習時間を多く取れるように検討していきたいと思いました。

今回のメンテナンス研修会により、自施設でトラブル等が起きてもある程度の対応が出来ると思われますので、自施設での活用を期待したいと思います。

浅草病院 検査科 佐藤 俊也

第29回臨床微生物学会

2018年2月9日、10日、11日に長良川国際会議場・岐阜都ホテルにて第29回臨床微生物学会総会・学術集会が開催されました。会場には全国各地から多くの方々が演題発表や教育講演などの聴講に訪れていました。

私は、臨床微生物学会では過去2年間、血液培養関連を報告してきましたが、今回は髄液一般検査を行っている最中に細菌を疑う検査像があったため、担当医に「髄液中肺炎球菌迅速検査」を提案し、早期の診断が可能となった事例を報告致しました。

検査は通常、医師の依頼があって検査を行う事が基本であり、依頼以外のことは医師に言いづらいこともあるかと思いますが、臨床検査技師が医師とコミュニケーションをとってディスカッションを行うことで、より良い診断ができるのではないかと感じる事例でした。今後も臨床検査技師が医師に診断の補助となる情報をあたえることができるように努めたいと思います。

また臨床微生物学会ではAntimicrobial Stewardship(抗菌薬適正使用支援)や薬剤耐性(AMR)対策などの言葉が飛び交っていました。検出された細菌に抗菌薬が適正に使用されているか、薬剤耐性菌を増加させないように抗菌薬を使用していくなどの取り組みがあります。これらの取り組みには臨床検査技師以外の医療スタッフと共に管理・支援を行っていくことが重要となっています。現在の臨床検査技師は検査以外にもコミュニケーションを通じてチーム医療に参加し、治療に貢献していくことが重要視されていることを学びました。

尿・髄液中肺炎球菌莢膜抗原検査を用いた侵襲性肺炎球菌感染症の迅速報告
上尾中央総合病院検査技術科 木部雄介

平成29年度心臓超音波実技研修会報告

1月26日、品川のフィリップスエレクトロニクスジャパン東京本社において心臓超音波実技研修会を開催しました。各施設より22名の参加がありました。
午前に教育マニュアルの改訂箇所、Bモード計測、右室機能評価、弁膜症の定量的評価についての講義を行いました。また特別講演として三郷中央総合病院心臓血管外科の川崎宗泰先生をお招きして経食道心臓超音波検査についてご講演いただきました。経食道心臓超音波検査は実施している施設が少なく、参加者からは「今まで見る機会がなく勉強になった。術中の動画を見ることができイメージしやすかった。」との声が寄せられました。
午後からは2グループに分け、実技講習と症例提示、サーベイ問題解説を行いました。実技講習では午前中の講義内容に沿ってTAPSEやS′などの右室機能評価や逆流の定量的評価の計測を行いました。参加者からは「描出の仕方や注意点を教わることができて良かった。右室機能評価が曖昧だったが今回の実技講習で明確になった。」との声が寄せられました。
計測法や評価法は各施設によりばらつきがあり、施設間の標準化を図ることができた有意義な研修会となりました。

八潮中央総合病院 間中樹里

心臓超音波実技研修会に参加してきました。ルーチンでは右室機能評価まで手が届かなかったため、今回の講義は非常に学ぶことが多くありました。川崎先生による経食道心臓超音波検査についての特別講演では、実際の検査中の動画や経食道からみた心臓の解剖なども教えていただき、経胸壁心臓超音波検査との違いを学ぶことができました。経食道心臓超音波検査は自施設では行っておらず、大変貴重な講義となりました。
午後の実技講習では、描出方法や計測方法について丁寧に教えていただきました。疑問に感じたこともすぐに質問することができ非常によかったです。
午前の講義で学んだことを午後の実技でより実践的に学ぶことができ、非常に有意義な研修会でした。この研修会で学んだことを活かして日々の検査に取り組みたいと思います。

八潮中央総合病院 丹下千智

AMG腹部超音波研修会 開催報告

報告者:腹部超音波委員会
桜ヶ丘中央病院  泉谷千穂

今年度のAMG検査部超音波委員会主催、腹部超音波研修会を2017年12月21日(木)に大宮ソニックシティにて開催いたしました。当日は21施設23名に参加していただきました。

今回は「肝区域を極めよう」をテーマに研修会を企画しました。まず神奈川県及び埼玉県の検査技師会生理検査精度管理調査に出題された問題の中から正答率の低かった超音波サーベイの問題に対して、参加者に解答を考えてもらった後に解説を行いました。次に「体腔液とFAST」を題材として、外傷の初期診療における迅速簡易超音波検査の重要性、心嚢液、胸水、腹水の区別などについての講義を行いました。次に最新技術についての紹介に続き、「肝区域のおさらい」ということで午後からの実技講習にそなえ肝区域について復習の講義を行いました。

午後からは埼玉県立循環器・呼吸器病センター放射線科の大澤先生をお招きし「超音波とCT,MRIとの対比~肝区域、SOLを中心に」というテーマで講義をしていただきました。CT・MRIで見る肝区域の見え方、概念、超音波とCT・MRIの対比による症例提示など分かりやすい講義を行っていただきました。

最後の実技講習会では、なるべく経験年数に差が出ないように参加者を5班に班分けし、委員会各メンバーが出題する肝区域に関する問題を被験者から描出してもらい、その後講評会を行いました。

幅広い経験年数の方々に参加していただきましたが、基礎的な事項から普段見る機会の少ないCTやMRIの判読まで経験していただき、臨床的にも有意義な研修会になったのではないかと思います。今後も超音波検査の標準化や最新知識・技術の提供が出来るような研修会を企画して行きたいと考えています。

AMG輸血研修会報告

今回のAMG輸血研修会は、実務委員の方々の指導のもと14施設から参加した14名で行われました。私は前年度から続いて2回目の参加となりました。前回同様に今回も内容の凝縮された大変実りのある研修会でした。はじめに実習の概要と講義がありました。不規則抗体や消去法、カラム凝集法についての講義と、事前課題の解答がありました。事前に講義が行われた事で知識の整理ができ、スムーズに実習に進むことできました。

実習では血液型と不規則性抗体検査の実技と、その結果から必要になった追加検査を実施するという形で進行していきました。血液型では、普段見かけることの少ない反応を示すものから病態を推測し、自分の考えを班のメンバーと話し合いました。不規則性抗体検査では、スクリーニングで陽性に出た検体をアンチグラムに当てはめ保有している抗体を推測していきました。各班の意見をまとめ、代表者が発表を行ったので、他の班の考えも聞くことができました。最後には確認考査があり、消去法の再確認をすることができました。普段は血液型と不規則性抗体検査に関わることが少なくなったので、今回の研修会の参加を不安に思っていました。やはり、課題に迷うことや実習で判定に悩む事が出てきましたが、実務委員の方のフォローや、丁寧な解説があり無事に終える事が出来ました。

また、日常業務で疑問に感じている事を、実務委員の方に直接聞くことができ勉強になりました。実習や話し合いを通して、他施設の方と結果に対する意見の交換や、各施設の輸血の実状を聞くことが出来たことは貴重な経験となりました。今後もこの繋がりを大切にしていきたいです。研修会を終えて、検査の手技や考え方について少し自信が持てたので、これからの業務にも活かしていきたいです。今回参加出来なかった職員には伝達講習を行い、施設内でも情報の共有をしていきたいと思います。

報告者:東川口病院 安田康恵

輸血実習に参加した中に輸血依頼が少ない病院があり、実際にイレギュラーな対応を行うことが稀であることがわかった。その為、実習に参加することでイレギュラーな反応が起こった場合にどのように対処すべきか、経験し知識をつけることが出来る為、貴重な実習であると思う。ディスカッションした内容は、カラム法で様々な陽性反応が見られた場合の対処法についてであった。

  1. クームス法と酵素法の全てに凝集が見られ、消去法で消す事ができず、検査法によって凝集差が見られる場合はどのように解釈し、輸血製剤を発注すべきか。
  2. 酵素法のみ全てに凝集が見られる場合は非特異的反応と考えられるが、その後どのように検査を進め、結果を返すべきなのか。交差試験はどのように行なうべきなのか。 (自己抗体や連銭形成、寒冷凝集、薬剤による凝集を区別する方法など)
  3. クームス法には反応が認められず、酵素法のみ凝集が見られ、かつ凝集パターンがある場合、ガイドラインでは酵素法のみの反応では臨床的意義はないとされているが、発注する製剤も抗体を考慮しなくてもよいのか。中にはRh式など考慮し、指定血を発注した方がよいのではないか。

不規則抗体スクリーニング検査ではアムルへ同定検査を提出するが、交差適合試験では各自施設にて検査を行なわなければならない為に不安である為、次回の実技研修では交差適合試験まで実習を行なってみたいと意見があった。また、試験管法での弱い凝集が見られた場合、凝集価の判定に自信が持てない為、目合わせの実習を行なってみたいという意見も挙がった。毎年輸血実技研修は様々な知識を教えてもらい、現場に役立てる事が出来る為、今後も技術向上のために参加していきたい。

報告者:彩の国東大宮メディカルセンター 本多 恵理佳

今回の実習内容は、血液型、不規則性抗体、消去法でした。血液型、不規則抗体検査は当院でも実施しているため、スムーズにできると思っていたが普段の環境とは違った場所での実習であったので少し戸惑うところがありました。慣れている検査ではあったが、マニュアルをしっかりと確認することでミスなく検査をすることができました。検体の一つにフィブリンが析出していて、結果がうまくでない検体がありました。その検体の患者は抗凝固薬を使用しているということがわかったため、検体を再度遠心して再検査を行い、結果を出しました。検査室では検査データや検体の状態はわかるが、患者背景はわからないため、異常な検査結果が出たら、手技を確認することも大切だが患者背景を確認することも重要だと改めて実感することができました。

輸血研修後、多発性骨髄腫治療薬による偽陽性反応と消去法のガイドライン改訂について伝達講習を行いました。多発性骨髄腫治療薬の偽陽性反応の対応では、間接抗グロブリン試験において常に偽陽性反応が出てしまうこと、薬剤の影響が最大で6ヶ月あるということと、血球処理の方法を周知しました。

消去法については輸血研修会で使用した問題を元に、消去法のやり方とガイドライン変更について伝達を行いました。当院ではルーチンにて消去法を行っていない為、消去法のやり方が曖昧なスタッフもいたので良い復習の機会になりました。ルーチンでは行っていなくても、輸血検査を行っている以上、必須の知識であると思いました。今回の輸血研修会では普段あまり出くわすことの無い珍しい検体での実習であったため、自分自身の知識の整理と良い復習の機会になりました。

報告者:八潮中央総合病院 菅原慎也

AMG輸血研修会に今回はじめて参加させていただきました。私の施設では普段カラム法は機械で測定しているので実習前のカラム法の原理はとても分かりやすかったです。実技に関しては、事前に手技を予習していたのですが、テキストに書いていない基本的なこと(カラムには番号ではなく氏名を書くこと)から分注時のコツなど(ピペットを持つ手の角度や試料を分注する位置)を教えていただきました。mfの症例では、試験管法での再検を忘れてしまったことが反省点だったことと、生化学検査や血液検査の結果を含めて考察するための知識が足りないと感じました。

不規則スクリーニング検査が陽性の症例では、消去法は特に問題はないと思いました。RhD陰性の症例では、今までよく理解できていなかった母親と胎児の抗原抗体の関係などをきちんと理解することができました。全体的には、検査結果を基に患者情報などから病態を推測や、今後考えられることや、製剤の選択などが、研究所ではあまり関わらない部分だったので少し難しいと感じましたが、どの症例も少ない患者情報の中に問題解決のヒントが隠されていて、改めて患者情報は大切だと思いました。また、実習班が少人数で、講師の方も2名ついていただいたことで質問がしやすく、今まで疑問に思っていたことなどを気軽に聞くことができて、お互い初対面のメンバーでしたが上手くディスカッションができてとても良かったです。

最後の座談会では、お互いの検査室での輸血検査について話しができ、今まで電話で名前だけしか知らなかった方とも交流が持てて貴重な時間となりました。今回学んだことや他の病院の方々がお話されていたことを自分の部署に伝達して、今後の業務に活かしていきたいと思います。

報告者:㈱アムル 血液学・一般検査室 川上由香梨

第64回日本臨床検査医学会学術集会

報告者:上尾中央総合病院
検査技術科 長谷川卓也

第64回日本臨床検査医学会学術集会が、『次世代の医療の進歩への貢献』をテーマに2017年11月16日(木)~19日(日)の4日間にかけて国立京都国際会館で開催されました。医師、臨床検査技師を中心に全国から多くの方が集まり盛会でした。

今回当院からは5演題エントリーがあり、私は『臨床検査技師がインフルエンザ迅速検査を救急室で実施することによるチーム医療上の意義は高い(第3報)』という演題名で発表致しました。発表に際し、いつもご指導していただいております、当院臨床検査科の熊坂一成医師に感謝申し上げます。

当院の発表に関して、数多くの質問があり私たちが行っている活動等に関して興味をもっていただけている事、評価されている事が身をもって感じる事が出来ました。また、当院は2017年6月にISO15189の認定を受けている為、その事を理解した上で、より良い品質マネジメントシステムを動かして行く為のアドバイスをいただく事も出来ました。
多施設の発表も聴講し、今後当院で取り入れられる事やヒントになる事も数多くあり、とても良い時間となりました。

今後も自分自身をさらに磨き、全国学会にて発表をするのはもちろんですが、私の経験を活かし、後輩たちが学会発表を行える環境作り等にも力を注いで行きたいと思います。その事で今回の学会テーマである『次世代の医療の進歩への貢献』に繋がるのではと考えます。

  • 『中高生を対象とした臨床検査技師の職業体験セミナーの開催とその効果』
    上尾中央総合病院 検査技術科 菊池裕子
  • 『末梢血液像で不定形な薄紫色の物質の観察を契機に診断に至ったクリオグロブリン血症の2症例』
    上尾中央総合病院 検査技術科 波多野佳彦
  • 『末梢血液像の電子カルテへの記入を利用した,検査技師と検査医の協力による血液検査異常値報告(第2報)』
    上尾中央総合病院 検査技術科 青木早紀
  • 『溶血検体の迅速報告の現状と対策~実際には多くの場合,再採血はされていない~』
    上尾中央総合病院 検査技術科 安田智美
  • 『臨床検査技師がインフルエンザ迅速検査を救急室で実施することによるチーム医療上の意義は高い(第3報)』
    上尾中央総合病院 検査技術科 長谷川卓也

平成29年度 血管超音波研修会

報告者:白岡中央総合病院 検査技術科 増田章子

AMG検査部超音波委員会主催・血管超音波研修会を10月31日(火)に津田沼中央総合病院にて開催しました。今回のテーマは「動脈(腹部から下腿まで)」で23施設から37名の参加がありました。

午前中は動脈に関する症例提示、グループに分かれて実技と特別講義を行いました。実技では腹部動脈から足首までの動脈の描出を解説しながらデモストレーションした後、各自描出してもらいました。また、特別講義では津田沼中央総合病院検査科技師長の藤澤科長の血管超音波特殊症例集ということで、希少な症例の検査ポイントや病態の観察ポイント等を教えていただき、病理検査室の関口係長からは検査の基礎となる血管の解剖のお話をして頂きました。午後には「なぜ動脈硬化は怖いのか。~その成り立ちと結果~」というテーマで、津田沼中央総合病院病理医の志賀医師より特別講義と解剖実習を行っていただきました。特別講義では病理学の視点から血管の機能を含めたマクロ画像からミクロ画像まで解説いただき、解剖実習では本物のブタの血管と動脈硬化を起こした患者の心臓と血管そのものを見て、比較したり触れたりすることができました。またその臓器の超音波検査を直に行なうことで、どういった画像が作り出されるかを経験する事ができました。

今回の研修会では超音波検査室だけでなく病理検査室のご協力を頂く事で、日々の実務にはないことをたくさん経験する場を設ける事ができました。近年、血管疾患の重大さが徐々に取り上げられ、血管検査の重要性が高まりつつあります。その血管検査のなかでも血管疾患に一番適している検査法は超音波検査といわれていることもあり、AMG検査部の血管超音波検査の更なる技術・知識の向上を行い、高い精度をもった検査報告書を臨床側に常に提供できるよう今後も充実した有意義な研修会を続けていきたいと思います。

最後に津田沼中央総合病院の皆様、多大なるご協力ありがとうございました。

第54回日臨技関東甲信越支部・首都圏支部医学検査学会

報告者:上尾中央臨床検査研究所 微生物検査室 葛西晃司

2017年10月28・29日に第54回日臨技関東甲信越支部・首都圏支部医学検査学会がラフレさいたまにて開催され、AMG検査部からは26演題の発表があり私も発表をさせて頂きました。

学会で発表を行うのは今回が初めてでデータの集計から発表の仕方まで何もわからない状態でのスタートとなりましたが、抄録やスライド作成、実際に発表する時の注意点など多くの方から様々な助言を頂き、無事学会発表を終えることができました。発表の場では多くの著名な先生方がお聞きになられている中でとても緊張しましたが、発表の時間を意識しながら落ち着いて原稿を読むことができたと思いました。発表を終えて、自分の中で達成感と学術的な知識の深まりを感じ、とてもいい経験になったと感じました。

また、発表者として出席すると同時に他の方の発表も聴講させて頂きました。発表を行う前とは違い、一度発表を終えた後だとどのように結果をまとめると見やすいのか、スライド作成においてどうすると聞いている人は内容がわかりやすいのかなど違った視点で発表を聴講することができ、これもまた自分にとっていい経験になったと実感することができました。

今回の経験を生かし、積極的に学会発表の場に発表者として参加していきたいと思います。

2017年度 AMG検査部主任以上等研修会に参加して

報告者:AMG検査部人材育成委員会 委員
彩の国東大宮メディカルセンター 中田正人

10月21日(土)ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の本社会議室をお借りしてAMG検査部のチーフ/主任以上等を対象に研修会が行われ、70名以上が参加されました。講師に同社の 鈴木孝氏をお招きして『コミュニケーションに活用するコーチング』をテーマに講義をしていただきました。本来コーチングの研修は多くのコースがあり時間も要するものですが、それらを本研修用に編成していただいております。多くの参加者は前回も鈴木氏の講義を受講していることから、今回は前回のおさらいから始まり次いで経験学習モデルや7つの習慣などについてお話しをしていただきました。

『コーチング』とは導き引っ張っていくことです。特に相手の話を聞く傾聴は重要であり、その為にはクローズドクエッションとオープンクエッションを使い分け、具体的な質問をすることで相手に考えさせることが必要です。そして最後にはまとめてあげることで相手自身の考えを本人に気付かせ閃きを与えることが出来ます。前回の研修から今日まで自分自身の行動を振り返りながら聞いていました。多くの話をして頂きましたが、その中にインスリンを打ったと嘘をつく患者と看護師のやり取りについて話がありました。相手が嘘をつくのは質問者に問題がある、良くしてくれているから言い難いというのも含めて質問者に知られたくないことがあるからという内容でした。相手を知ろうとしなければ、嘘を付く理由も相手にあると決めてしまい自分の意見を押し付けてしまうだけになってしまいます。

コーチングの技術を身に付け実践していくことは容易なことではありませんが、少しでも取り入れて業務に活かして行きたいと思います。また人材育成委員会として今後も有意義な研修を企画していければと思います。

新人リフレッシュ研修

報告者:柏厚生総合病院 菊池美緒

9月22日(金)に、上尾中央総合病院会議室で、新人リフレッシュ研修が行われました。
リフレッシュ研修は、コミュニケーションスキルを磨こうという内容でした。始めの1時間半はロシュDCジャパン株式会社の石橋剛先生が講演をして下さいました。
人をタイプ別に分け、それぞれのタイプへの接し方を知ることで対人関係を円滑に進めることができるという内容でした。講演では、実際に自分や職場の人がどのタイプなのかを考えながらの講演だったので、とても興味深く聞くことができました。

講演の後はグループワークを行いました。あらかじめ決められた班に分かれて、半年間働いてみて良かったこと・悪かったことを話し合い、模造紙にまとめて、発表をしました。
他の病院の人と話す機会は少ないので、貴重な経験となりました。また、話し合いをしていると、良かったこと・悪かったことが似ていて、同じ新人同士、不安に思うことや嬉しく思うことは同じなのだと親近感を感じました。まとめる時間が約40分と、短い時間の中で、どの班もしっかりと発表出来ていました。

夜は、懇親会に参加しました。何かの縁があって同じグループの臨床検査技師となった同期たちと交流できたことは、良いリフレッシュになりました。

AMG適正輸血委員会輸血研修会 ~最新の輸血情報~

報告者:東川口病院 豊田 直也

AMG検査部適正輸血委員会主催の2017年度輸血研修会が9月8日(金)に上尾中央臨床研修センターにて開催されました。25施設から計35名の参加者が集まりました。

今回のテーマは「最新の輸血情報」として、埼玉県赤十字血液センター学術課・田中様よりご講演を頂きました。内容としては、

  1. 血液製剤の使用指針の変更内容(改訂に関して)
  2. 赤血球不規則抗体保有カード
  3. 輸血による有害事象の情報収集のあり方

以上の3項目についてでした。

使用指針は、今年の3月31日に厚生労働省より改訂の通知があり、この改訂での変更点を抜粋して説明して頂きました。今回の改訂は、日本輸血・細胞治療学会が「科学的根拠に基づく輸血ガイドライン」を作成したことに端を発し改訂され、エビデンスに基づく記述が主となり、対比表が望まれるところではありましたが、検査技師が臨床の先生方へ適正使用について説明するために役立つ非常に良いものとなっていました。
次に、赤血球不規則抗体保有カードは、埼玉県合同輸血療法委員会が中心となり埼玉県内共用として作成されました。使用にあたりセンターに連絡があった施設は、30施設に上り、昨年末時点で454件のカード発行が確認されています。また、このカードについての問合せは、県外施設から数多く出ているとの事でした。グループ内では、上尾中央総合病院のみが使用している状況ですが、他施設においても運用を検討している施設がある様でした。
3点目として、輸血による有害事象の情報収集のあり方についての説明がありました。以前は、輸血に関する事象については、医療機関からは、重篤な副作用等について報告をすることが主でしたが、平成26年11月25日に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」)により1)医薬品・医療機器などの安全対策強化2)医療機器の特性をふまえた規制への対応3)再生医療に対する規制への対応の3点が主の改正となり特に、医薬品の安全強化については、製造販売業者についても販売後の安全管理が求められたことから医療施設からの相談やMRとの情報交換一つにしても、製剤における有害事象と捉える必要性が出てきました。今後、医師へ「今回は副作用で上げますか?」と聞いていた事を、「副作用で上げましょう」と進言していく段階になったと思いました。輸血指針の改訂・薬事法の改訂と臨床の現場において輸血医療の考え方に変化が必要であるということを改めて認識した研修会でした。

ラボセミナー

報告者:上尾中央総合病院 検査技術科 菊池裕子

8月19日土曜日に、中学生向けの臨床検査技師の職業体験「ラボセミナー」を当科で開催しました。

2回目となる今年は、5月に市教育委員会と打ち合わせた上で、市内に11ある中学校のうち西側の6校の教頭先生を窓口として訪問し、昨年の様子を伝えながら中学校を通じて募集したところ、病院ホームページからの申し込み者を含め、当日の参加人数は前回の14人を6人上回る20人となりました。当初予定していた募集人数15人を超え、募集期間を短期間で締め切らざるを得なかったほどの反響に、嬉しい悲鳴となりました。
参加した中学生20人は5つのグループに分かれ、担当スタッフに誘導されながら、模擬採血、血液検査(血液型検査、血液像鏡検)、細菌検査(手洗い実習)、心臓エコー検査、病理検査(標本見学など)の5つを体験しました。

普段入ることのない検査室での半日を終え、病院最上階の中村記念講堂で修了証を臨床医から一人一人に授与。リアルな検査室の現場に少しだけ触れた中学生からは、「普通できない採血ができて、貴重な体験になった」(中学2年女子)、「テレビで見たことのあるエコーが体験できた」(中学2年女子)など、未知への好奇心が満たされて喜ぶ感想が聞かれました。

ラボセミナーを開催する目的は二つあります。一つは、将来就きたい職業を思い描き始める中学生に臨床検査技師や医療従事者の魅力を伝え、夢を与える役割を果たすこと。もう一つは、真剣なまなざしで向き合ってくれる中学生に、臨床検査技師の仕事をどのように説明しようか考えることで、スタッフがもともとどんな技師を目指してきたのか、自分たちの職業にはどんな魅力があるのかを再認識する機会となり、自身のモチベーションアップにつなげることです。

なお、今回は共催メーカーにサポートしていただきながら、プレスリリース(J:COM、埼玉新聞社、じほう社)を果たしました。
参加した中学生が、「楽しかったね。」と友達と話しながら満足そうに帰っていく姿を目にしたスタッフ側からも、無事に開催できた安堵感とともに笑顔がこぼれていました。地元住民向けのイベントに皆で取り組むことで組織に一体感が生まれ、検査技師としての意識がさらに高まったことを感じつつ、これからも継続して開催したいと思います。

第66回幕張 学会レポート

船橋総合病院 斎藤 勇和

第66回日本医学検査学会が、2017年6月17日(土)~18日(日)の2日間にかけて幕張メッセ国際会議場・国際展示場7-8ホールにて開催されました。今回のテーマが“Vision -夢・創造- 臨床検査の更なる進化と多様性を求めて”でした。プログラムもテーマに沿って特別企画演題では臨床検査技師のあり方や課題について考えさせられるような内容となっていました。また、ランチョンセミナーやスイーツセミナーでは検査項目の標準化や現状に関しての内容が多く、参考になるものばかりでした。

一般演題としては、上尾中央医科グループ検査部からは計4演題のエントリーがされ、日々の活動の成果を発表してきました。 今回、私自身も初めての演題発表ということで会場の雰囲気や発表時の緊張感を実感する事ができ、良い経験になりました。また様々な分野の演題発表を聴き、演題内容の質だけでなく理解しやすい話のまとめ方やスライドの工夫など、演題発表するにあたっての姿勢や取り組みについても参考になり、とても有意義な学会となりました。

今後は、この経験を活かし諸先輩方にして頂いたように私も後輩の演題発表の手助けやアドバイスをしていきたいと思います。また、他の演題を聴く事で自分の知識や実力不足も実感することが出来たので、自分自身もさらに知識を深め今後の演題発表の質を向上していけるように日々努力していきたいと思います。

  1. 大腸癌に併発した左房内粘液腫の一例
    津田沼中央総合病院 藤沢 一哉
  2. 肺塞栓症を伴う上肢静脈血栓症の一例
    津田沼中央総合病院 山口 梨沙
  3. 上尾中央医科グループ検査部適性輸血委員会活動報告 第六報
    輸血後感染症検査における肝炎ウイルス既往感染率について
    東川口病院 豊田 直也
  4. 生活習慣病におけるNT-proBNPと心電図の関連性について
    船橋総合病院 斎藤 勇和

第1回細胞診症例検討会

上尾中央総合病院 渡部有依

平成29年5月30日(火)にAMG検査部病理細胞検査委員会主催の第1回細胞診症例検討会が、上尾中央総合病院で行われました。平日の業務後の午後7時から開催されましたが、5施設19人が参加しました。
AMGの施設が集まり細胞診の症例検討会を行うのは今回が初めてのことでしたが、各施設が診断に苦慮した様々な症例を持ち寄り、普段の業務では出会うことのない希少な症例を見ることができました。今回は第1回目とのこともあり、個人ごとの解答ではなく各施設で集約した解答を発表してもらいましたが、その間にもそれぞれが気になったことなどを積極的に質問し、とても有意義な時間を過ごすことができました。また症例検討会後に、持ち寄った標本を病理検査室の顕微鏡でもう一度実際に見てディスカッションを行い、他施設の方たちと細胞の見方をすり合わせることもできました。症例についての質問、また業務を行う上での経験談などを他施設の方たちとお話する機会は今まであまりなかったため、施設間交流の一歩にもなりました。
今後もこのような勉強会などを積極的に行っていき、普段の業務に活かせるようにしたいと思います。

日本超音波医学会第90回学術集会

八潮中央総合病院 間中樹里

日本超音波医学会第90回学術集会が、平成29年5月26日(金)~28日(日)に栃木県総合文化センター他2会場にて開催されました。今回は日本乳腺甲状腺超音波医学会第38回学術集会も共同開催され、全国からたくさんの先生方が集まり盛会でした。
私もポスター演題として『膵腺扁平上皮癌の2例』を発表させて頂きました。
今回の学会発表は、昨年の津田沼中央総合病院において開催された秋田赤十字病院消化器病センターの石田秀明先生による腹部超音波勉強会に参加したのがきっかけでした。勉強会内で症例発表をした際に、石田先生に日本超音波医学会で一緒に発表しましょう!と声をかけて頂きました。日本超音波医学会の重鎮である石田先生に声をかけて頂いた事はとても光栄でしたが、専門学会での発表は初めてで不安でいっぱいでした。
発表は緊張しましたが、石田先生も駆けつけて下さり無事に終えることができました。自信を持って発表することができたのも、石田先生や協力してくれた検査科の皆様、ご指導頂いた先輩方のおかげです。 発表終了後、石田先生から「勉強や学会発表は継続していくことに意味がある」とお言葉を頂きました。今回の発表で満足することなく、次の目標に向けて邁進していきたいと思います。

  • 『門脈の血行動態と肝機能障害の推移に興味深い相関を認めたアルコール性肝硬変の一症例』
    白岡中央総合病院  増田章子
  • 『超音波とCT で乖離がみられたSMA 症候群に伴う門脈ガス血症の一症例』
    白岡中央総合病院  大塚香織
  • 『膵腺扁平上皮癌の2 例』
    八潮中央総合病院  間中樹里
  • 『乳腺リンパ腫の1男性例』(JABTS)
    津田沼中央総合病院  関春菜

第8回AMG検査部精度管理委員会グループサーベイ講評会

株式会社アムル 生化学/免疫検査:安田達明

今年で第8回となるAMG検査部精度管理委員会グループサーベイ講評会が、平成29年5月18日(木)に大宮ソニックシティにて開催されました。今回は新たに尿検体のサーベイが加わり、総論、尿定性/沈渣、血液学検査各1演題、生化学検査2演題の5講演が行われました。AMGの31施設より51名が参加し、普段は生理検査に携わっている技師も参加するなど関心の高さが伺えました。

総論ではサーベイの意義に触れ、患者検体と同一条件での試料測定が望ましいこと、記載の間違いは減っているが、ミス0を目指して確認に時間をかけるよう注意喚起がありました。尿検査・尿沈渣では、特に結果の乖離した尿中ビリルビン定性について、実検体とサーベイ試料の反応性の違いによる発色差があること、尿沈渣における類似血球(オーガニック,スフィアー)の鏡検での見え方の違いについて解説があり、試料の作成や選択の難しさを知ることができました。血液学及び生化学検査では、サーベイを重ねるごとに施設間差や機種間差が収束する一方、血液像において試料の輸送条件による細胞の変性や、ウエット法とドライ法の生化学管理試料や患者検体の反応性の違いなど、今後検討すべき課題についても示唆されました。

聴講者からの質疑にもありましたが、全国で検査室の国際的な認定・認証取得が進む現在、日々の精度管理で異常を発見する手法やその対処方法についても聴講できるこの講評会は、若手技師の育成や日頃の疑問や解決策を共有できる大変有用な場だと思います。業務多忙の中、ご活動頂きました講師ならびに小委員会委員の皆様に心よりお礼申し上げます。

新入職研修を終えて

船橋総合病院 神津 知子

社会人そして臨床検査技師として働くことに対し、大きな喜びと期待感、一方で自分の未熟さに不安を抱きながら3日間の入職式・研修会を迎えました。1000人弱の新入職員と共にAMG職員の一員となり、責任の重さを実感しました。

2日間の全体研修では、「接遇マナー」や「業務内容」、「医療事務」についての講習を受けました。第一印象でその人自身も職場全体もマイナスイメージを持たれてしまうため、身だしなみや挨拶、笑顔がとても大切であると学びました。患者様に安心で安全な医療を提供するためにも常にそれらを心がけていきたいと思いました。

臨床検査部門研修では、AMG共同利用施設である株式会社アムルの見学に行きました。各病院施設から検体が運ばれ、細胞検査士を中心とした病理検査や最新機器を用いた検体検査等が行われていました。検査をするにあたり、正確な検査結果を報告するために規定の試験管、検体量、保存方法を守ることや検体の取り間違え防止のために少しでも疑問に思った時はきちんと確認することを徹底してこれから業務に取り組みたいと思いました。

今回の研修を通して、改めて社会人そして医療人としてスタートしたことを実感しました。まずは少しでも早く仕事を覚えて戦力になれるよう努めていきたいと思います。そして初心を忘れずに日々経験を重ね、将来は多くの方に信頼される臨床検査技師になりたいです。